ご案内
空港計画においては、当該空港の地元需要に加えて、成田の混雑を背景に、成田の乗り継ぎ需要を獲得しようとの意図がみられ、「大規模国際ハブ空港化」が計画されており、空港施設計画もそれに対応して策定されているように見受けられる。
また、上記dの空港についても空港計画に多かれ少なかれ「ハブ化」の要素が含まれて策定されている。
@その他の地方空港においても、たとえば岡山や鳥取のように、国際化の進展を目的としてターミナルの拡張・新設、国際貨物基地化、滑走路の延長等の計画がみられるほか、積極的な国際線誘致の動きがみられ、国もそれを推進している。
以上のように、「首都圏の国際航空需要を抑え、成田の需要を関西空港および国内の他空港に分散させる」というのが、ハブ競争との関連でみた現行空港整備計画の基本的考えた方である。
一方、首都圏空港と競合する束アジアの外国都市では、香港とソウルが一九九七年開港予定で新空港を建設中であり、台北も空港拡張を実行中である。
では、こういった空港間のハブ競争が今後どのような行方を示すのかを以下で考えてみ国際ハブ競争の行方ハブ空港間競争とは、当該空港の地元需要以外の、乗り継ぎ需要の争奪戦を意味するが、その競争条件のうち最も重要なのは地元需要の大きさである(4−去Q照)。
地元航空需要の最も大きな都市は東アジアでは東京であり、大阪、香港、ソウルがこれに次ぐ。
ただし、首都圏の空港容量は限界にきているから、いかに首都圏の地元需要が多くとも、容量の拡大が無い限り、乗り継ぎ客は首都圏以外の空港に溢れ出ざるを得なくる。
その場合、首都圏の空港整備をあきらめ、空港の全体や地方空港のハブ化を優第一に、成田から溢江出た乗り継ぎ需要は、各空港の地元需要の大きさに比例して配分されるが、大阪の地元需要が香港、ソウルを上回る程度はわずかである。
地元需要は経済力に比例するが、日本と周辺諸国との経済格差は急速に縮まりつつあり、このままでは二I世紀初頭には香港、ソウルに追いつかれる可能性が高い。
予想されたほどに関西空港への乗り入れが少なかったのも、使用料が高いということもあるが、結局は経済力の問題である。
関西経済力の向上による地元需要の拡大がない限り、香港、ソウルとの戦いは苦しくなる。
第二に、ハブ競争を決定する要因は地元需要だけではない(4−去Q照)。
このほか、国内線を含めた乗り継ぎの便利さ、価格体系などのマーケティング政策、施設の整備状況、航空政策や空港整備制度などの制度的要因があげられる。
これらの要因が地元需要の点での劣性を補って余りあるほどに優位であるならば、シンガポールやアムステルダムのように、地元需要は少なくてもグローバルーハブとしての地位を固めることが可能である。
しかし、関西空港は施設の整備状況を除けば「その他の競争要因」に十分に対応されているとは言い難く、空港経営についての抜本的な改善がなければ、地元需要の大きさでのわずかな有利性は相殺されてしまう。
このように、関西空港や現在計画されているその他の地方ハブ空港は、首都圏空港群を補完する二次グローバルーハブとしての機能は果たせるようになるだろうが、ハブ競争の基本的な条件である地元需要に限界がある限り、施設をいくら拡大しても、香港やソウルなどの主要な競争相手としては限界がある。
最も潜在力のある首都圏空首都圏空港整備の必要性は単に航空ハブ競争の視点からだけではない。
旅行の起終点とする利用者であり、将来予測においてもこの傾向に変わりはない。
首都圏の空港を使いにくくしておいてこれを地方空港に配分する政策は、明らかに利用者の便益を無視している。
欧州の主要国は地方空港について需要に対応した投資を行う一方で、首都空港においても積極的な投資・拡張を行っており、首都空港に積極的に需要を吸収する政策を堅持している。
その第一の理由は、「利用客と航空会社のニーズに対応するには、ニーズの大きい空港における供給能力の拡張が必要」という、あたりまえの考え方によるものである。
このあたりまえの政策に戻ることこそ、日本がグローバルーハブを維持する結果にもつながるのである。
第二に、空港を含め社会資本投資の地方分散は東京の国際的地位を低下させる。
首都圏の社会資本整備をこのままにしておけば、情報、金融などの他のネットワーク産業をけじめ、国際的なトップーレベルの商業・産業は、航空輸送同様に近隣外国都市に流出してしまうだろう。
東京が今後も国際ビジネスの中心、すなわち「国際経済のハブ」の地位を維持していくためには、そこに十分な社会資本投資が必要である。
無論、首都圏交通需要の大きさは一極集中の結果であるから、人口・産業の地方分散を行えばよいとの考え方もある。
しかし、首都圏交通需要の増加は遷都・分都といったよほどの荒療治がなければ今後とも継続することは疑いないし、そのような荒療治を行って産業が地方分散すれば国際都市東京のメリットは低下するから、国際的なトップーレペルの商業・産業は地方都市に移転するよりはむしろ海外に逃げ、結果として日本の国際経済力の低下をもたらす。
このように社会資本を通じての「経済のハブ競争」が進行しているにもかかわらず、日本の社会資本整備計画は国際競争の視点を欠いていると言わざるをえないが、首都圏の交通容量の改善は、国内社会資本整備計画の観点からも求められる。
第一に、空港の利用者は国際航空客だけではない。
むしろ国内客のほうが多い。
国内客についても、その大半は首都圏空港の利用者によって占められる。
国際・国内併せて、そこに大規模な交通需要が存在すること、そして消費者・荷主のニーズに対応するのが交通政策の基本であるという、単純にして重要な理由を忘れてはならない。
第二に、首都圏と地方部の負担の不公平が大きくなり過ぎている点も、重要な課題である。
空港や道路をけじめこれまでの国内匈漑川副泉本整備計賠風刺即プール制壱基本としており、首都圏の利用者によって支払われたカネで地方部の高速交通施設が整備されてきた。
しかし、このため首都圏の交通整備は遅れ、地方部では浪費的投資をもたらしてきた。
これには、従来の国土計画が、伝統的に国内の「均衡ある発展」を謳い文句にしてきたという背景があるが、この謳い文句に基づく平等主義もまた、見直される時期にきていると言える。
これまで日本の国土計画は「均衡ある発展」を旗印に、空港をけじめ高速交通体系についても国土全体への「均等な量的拡大」、すなわち、高速道路・新幹線の延長距離の増加や地方空港の新設等を指向してきた。
しかし、前節の「空港政策の課題」で述べたように、空港整備が数のうえでは全国的目標値の完成に近づく一方、減速経済下では浪費的投資を回避し得る費用有効度の高い選択的な投資と運営が要求される。
このような観点から現行計画をみた時、最も緊急度を要するのが首都圏の交通施設整備であることは言うまでもない。
首都圏住民と地方部との受益と負担の不一致を是正するためにも、これまでの投資の遅れを回復する措置が必要である。
さらに、首都圏での改善がなければ地方振興もありえない。
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